こんにちは! 日々の暮らしの「なぜ?」を探求するブログ、「こよみ暮らし」の“こよみ”です 。
前回の記事では、喪中の年賀状に関する「期間」「範囲」「はがきを出す時期」という3つの基本マナーについて、じっくりと解説しました。
でも、暮らしの中では「基本」だけでは対応しきれない、予期せぬことが起こるものですよね 。
「12月も後半になって不幸があったら、もう間に合わない…」 「喪中と知らずに、年賀状を送ってしまった!」 「逆に、喪中なのに年賀状が届いてしまった…」 「そもそも、仕事関係(ビジネス)ってどうしたらいいの?」
ルールを知っていても、いざ「困った!」という事態に直面すると、本当に悩んでしまうと思います。
そこで今回は、そんな「どうしよう!」を解決するための**【喪中の年賀状・お悩み解決Q&A】**をお届けします 。 この記事を読めば、慌てず、失礼なく対応できるヒントがきっと見つかりますよ。

1章:Q1. 12月後半など、年末に不幸があり喪中はがきが間に合わない
いちばん慌ててしまうのが、このケースかもしれません。 12月も中旬を過ぎてからご不幸があり、喪中はがきの準備がどう考えても年内に間に合わない…という場合です。
結論:無理に喪中はがきは送らず、「寒中見舞い」で対応します
まず、慌てて喪中はがきを出すのは控えます 。
理由は、郵便局の年賀状引受開始は12月15日だからです 。今から喪中はがきを送っても、相手の方はすでに年賀状を投函してしまっている可能性が非常に高いです 。 そうなると、かえって行き違いになり、相手に「送ってしまって申し訳ない」という余計な気遣いをさせてしまいます。
具体的な対処法
この場合、年賀状が届くのは仕方のないこととして、年が明けてから対応します。
- 松の内(まつのうち)が明けるのを待つ 「松の内」とは、年神様がいらっしゃる期間のことで、一般的に1月1日~1月7日までのことを指します 。
- 「寒中見舞い」を送る松の内が明けた1月8日頃から、立春(りっしゅん:2月3日か4日頃)までの間に、「寒中見舞い」という季節の挨拶状を送ります 。
この寒中見舞いの中で、
- 年賀状をいただいたことへのお礼(もし届いていれば)
- 年末に喪中となったため、年始のご挨拶を控えたこと
- ご連絡が遅れてしまったことへのお詫び をお伝えします 。
2章:Q2. 喪中と知らずに、相手から年賀状が届いてしまった
喪中はがきを出した、あるいは出さなかった相手から、年賀状が届いてしまうこともよくあります。
結論:慌てなくて大丈夫。年明けに「寒中見舞い」で返事をします
まず、喪中に年賀状を受け取ること自体は、まったくマナー違反ではありません 。相手の方は、事情をご存じなかっただけです。
ただし、お返事に「年賀状」を使うのはNGです。
具体的な対処法
この場合も、Q1と同じく「寒中見舞い」を使います。
松の内が明けた1月8日以降に、寒中見舞いとして返事を出します。
その中で、
- 寒中見舞いの季節の挨拶(「寒中お見舞い申し上げます」)
- 年賀状をいただいたことへのお礼
- (喪中はがきを出していなかった場合は)ご連絡が遅れたお詫び
- 「実は、昨年〇月に〇〇が他界し、喪中のため年始のご挨拶を失礼いたしました」という事情
- 相手の健康を気遣う言葉 などを伝えます 。
【こよみの豆知識】
この場合(喪中の方から返事を出す場合)に使う切手は、通常の普通切手でかまいません。「弔事用切手」を使う必要はありませんので、ご注意くださいね 。
3章:Q3. 喪中と知らずに、年賀状を送ってしまいました!
投函した直後に相手の喪中はがきが届いて、「しまった!」と気づくケースです。 これは本当に焦りますが、まずは落ち着いてくださいね。
結論:知らなかったのは仕方のないこと。気づいた時期で対応します
喪中と知らずに年賀状を送ってしまっても、重大なマナー違反にはあたりません 。 とはいえ、気づいた時点で丁寧にお詫びとお悔やみの気持ちを伝えたいですよね。
具体的な対処法
気づいたタイミングによって、対応が2つに分かれます。
1. 【年内に】気づいた場合 まだ年が明けていないうちに気づいた場合は、すぐにでもお詫びを伝えたほうが丁寧です。 まずは電話で一報を入れ、非礼をお詫びし、改めてお悔やみの言葉を伝えます 。あるいは、電話が難しい場合は、お悔やみ状(「喪中見舞い」とも言います)を送るという方法もあります 。
2. 【年明けに】気づいた場合 相手から届いた寒中見舞いなどで、年が明けてから知った場合です。 この場合も、お詫び状として「寒中見舞い」を送ります 。 時期は、もちろん1月8日以降です 。
その中で、
- 寒中見舞いの季節の挨拶
- 「ご服喪中とは存じ上げず、年始のご挨拶をお送りしてしまい、大変失礼いたしました」というお詫び
- 改めて、故人様へのお悔やみの言葉
- ご家族を気遣う言葉 などを伝えます 。
4章:Q4. 会社(仕事・ビジネス)関係の年賀状はどうする?
これは、社会人としてとても悩ましい問題ですよね。私自身、仕事柄(金融機関に勤めています )、これまで数十社、数百社という単位で多くの取引先様と年末年始のご挨拶を交わしてきました 。その経験から言えるのは、やはりプライベートとは少し考え方が異なるということです。
結論:基本は「公私を分けて」対応します
一般的な考え方として、ビジネスとプライベートは分けて考えるというものがあります。
具体的な対処法
ご自身の立場と、相手の立場で分けて考えてみましょう。
1. ご自身が「喪中」の立場の場合
- 相手が「会社」の場合(取引先など) そもそも「法人(会社)」には、喪中という概念がありません。 そのため、故人と取引先の方に面識がない場合などは、あえて喪中であることを知らせず、例年通り、会社として年賀状を送るのが一般的です。プライベートな事情で、新年の挨拶というビジネス上の慣習を止めるほうが、かえって気を遣わせてしまうという配慮からです 。
- 相手が「社内の人」の場合 普段から年賀状のやり取りをしている上司や同僚で、家族ぐるみのお付き合いがあるなど、プライベートでも親しい間柄の場合は、喪中はがきを出した方が丁寧です。 職場での新年の挨拶は「おめでとうございます」を避け、「今年もよろしくお願いいたします」と伝えるのがマナーです。
2. 相手(取引先)から「喪中はがき」が届いた場合
- こちらからは年賀状を送らない 相手から「喪中のため…」と連絡があった場合は、当然ながらこちらから年賀状を送るのは控えます。
- 例外:家族経営の会社 相手が「家族経営」や「同族経営」の会社の場合、会社全体として喪中にしているケースがあります。この場合は特に、個人の場合と同じように丁寧に対応しましょう。
- 年明けの対応 年賀状の代わりとして、松の内が明けた1月8日以降に「寒中見舞い」をお送りすると、新年のご挨拶と相手への気遣いが両立できて丁寧です。
まとめ
喪中の「困った!」という場面では、
- 年末に間に合わない時
- 喪中に年賀状が届いた時
- 喪中と知らずに送ってしまった時
これら3つのパターンの多くが、「寒中見舞い」を使うことで、失礼なく対応できることがお分かりいただけたかと思います 。
一番大切なのは、慌てて間違った対応をしてしまうことではなく、故人を偲ぶ気持ちと、相手を思いやる気持ちです。
この記事が、あなたの「どうしよう!」を解決する「暮らしのヒント」になれば幸いです 。
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